『文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る』 (後編)#26
もう1つ身近な例として、「空はなぜ青いのか」ということをあげてみます。
これには太陽の光と地球上に存在する空気が大きく関わっています。
太陽の光には様々な色の光が混ざり合って地球に降り注いでいるため、波長の長い赤い光もあれば(これより長いと赤外線)波長の短い紫の光(これより短いと紫外線)も同時に存在します。
波長の長い暖色の光はまっすぐに進みやすいのですが、波長の短い寒色系の光は空気中の窒素や酸素の粒子とぶつかり、様々な方向に散乱していった結果、空は青く見えるのだそうです。
これと逆の原理が朝焼けや夕焼けには起こるらしく、人間の目に届くまでに通過しなければならない大気の距離が長くなるため、今度は直進しやすい波長の長い暖色の光が人間の目に届き、波長の短い寒色系の光は途中で散乱してしまい消えてしまうのだそうです。
一見物理学とは関係ないような天体の話が物理学で説明ができてしまうなんて、とても興味深いですよね。
もう1つだけ。
地球には重力がある。これは言わずと知れたことですが、何に引っ張られたわけでもないのに物が地球に引っ張られて落下する。地面と物体の間には大気しか存在しないはずです。大気は特に物を引っ張る能力を持っていないので、ではなぜ物体は落下するのかというと、ここで時空の歪みが発生しているそうです。時空の歪みなど、漫画の世界かと思っていました(笑)
この時空の歪みは物質の高低、速さなど様々な原因で発生し、止まっている人が動いている人を見ると、時間がゆっくり進んでいるように見えるそうです。この原理を人工的に作り出すことが可能になると、「タイムマシン」や「どこでもドア」のようなものを作ることも現実に起こり得るということです。すごいですよね。
一見物理学とは関係ないようなものが、実は物理で説明ができる。このように関係なさそうに見えるものが、実は密接に関わっているということはあらゆる世界で存在するかと思います。
柔道と物理学は、以前から無関係ではないと考えていました。何か指導に活かすことができればなぁというのが、物理が苦手な人間がこの本を読んでの1番の感想です。