アジアの雄・中国#38
アジア第1位は、もう既に日本ではない
なんとなくイメージしている人はいるかと思いますが、果たして現実味を感じている日本人はいったいどのくらいいるのでしょうか?
日本は近年、好景気であるとずっと言われてきました。戦後最大を更新するかもしれないとか、アベノミクス大成功だとか、日本が元気であるという報道を散々してきました。日本人はたくさんお金を稼いでいる、だから少しばかり増税しましょう、という流れであったはずです。
しかし、これを体感していた方って、果たして国民全体のどのくらいいたのでしょうか。半数くらいの方は感じていたのでしょうか?僕の周囲には、そんな方は1人もいませんでした。もちろん僕も好景気なんて微塵も感じることができませんでした。
そして最近政府が発表した経済観測によると、「日本の好景気は2018年には終わっていた」というのです。そして東京五輪後は、今より悪くなるのは避けられないという報道がされています。
これで本当に、アジア第1位なんて言えるのでしょうか。僕は胸を張って言うことなどできません。
現在アジア第1位の大学は、中国の清華大学です。日本が誇る東京大学は、第7位に位置しています。東大がアジア第1位の大学だったのは、2015年にまで遡ります。ちなみに第2位は北京大学、第4位に香港大学が続きます。世界有数の投資家であるビル・ロジャーズは、清華大学が近い将来世界第1位の大学になるだろうと予言しています。また、中国に積極的に投資していくとも宣言しています。
2008年に開催された北京五輪で世界中のインバウンドを受け、その影響で景気がいいと思っていた人も多いと思います。僕もその1人でした。しかし、決してそうではなかったのです。今やあらゆるシーンで中国は世界トップクラスの実力を持っています。
かつては中国の小さな漁村であった深圳が1980年に中国初の経済特区になり、今では香港を超え、秋葉原の30倍と言われる電子街となっています。さらには街全体がキャッシュレス、街を走る車のほとんどが電気自動車です。日本のような無機質なものではなく、個性豊かな超高層ビルが並び、街路樹も整備されているせいかとても空気も綺麗だそうです。
アジア第1位は、もうすでに日本ではない。
しかもおそらく、中国は既に日本など相手にしていないと思われます。ちなみに東大が2015年までアジア第1位だったと書きましたが、その後3年間トップの座にすわったのはシンガポール国立大学です。後日シンガポールのことについても記事にしますが、こちらもかなり進んでいます。かつてはヨーロッパのブランドがアジアに進出する時は東京に出店していたのですが、今やシンガポールにまず進出するという流れになっているようです。
日本は今後、どういう舵取りをしていくのか。待ったなしの難しい局面に立たされていると僕は考えています。このままでは、おそらくただの小国に成り下がってしまうでしょう。