偉人伝 ジェフ・ベゾス②#42
amazon社が世界に先んじて導入したのは、以下の4つです。
・ユーザーレビュー
実際に購入した人の評価や感想など、包み隠さず公開するというのは当時はかなり画期的でした。良い評価も悪い評価も無関係に掲載することで、かえってその信憑性が増すという結果になりました。
・類似商品の推奨
閲覧履歴や購入履歴などをもとにして、「こちらの商品もおすすめ」のように出てくるあのシステムです。検索しないと商品が出てこず、実店舗である「こっちもいいけど、これも買ってみるか」のような二次的購買意欲がなかったネット販売にあらたなフェーズを持ち込みました。
全ランキング制
先のユーザーレビューと少し被るのですが、売り上げランキングを第1位から最下位まですべて掲載しました。
・ワンクリック注文
ボタンを1つクリックするだけで、商品が購入できてしまうシステムを開発しました。さらに手法、そして「ワンクリック注文」という名称まで含めて全て特許を取得しているため、他のサイトでは1つの動作で商品を購入することはできません。
古本販売や電子書籍をいち早く導入するなど、わずか数年で一気に規模を拡大させました。株主にも「マーケットを握るためにリスクを取る」と公言しているそうです。
ベゾスの根底にあるものは、「徹底した顧客主義」という言葉に集約できます。購入者のユーザーレビューを掲載するなど、悪い評価を書き込まれる可能性も含んでいる著者はできたら避けたいところです。また古本を販売することについては、amazon内でも反発意見が出たほどでした。しかしベゾスは「新書を買うのか古書を買うのか、顧客に選んでもらえばいい」という決断をくだしました。
その後は本だけでなく映像や音楽、さらに日用品も取り扱うようになり、ベゾス自身はフォーブス長者番付において2018年に世界1位となりました。
そしてベゾスの携わる事業はamazonだけにとどまらず、宇宙飛行事業を目的とするブルーオリジンを設立。高校卒業時には宇宙事業をやりたいと宣言していたというから驚きです。さらに有名紙であるワシントンポストを買収。オンライン購読を実現させ、同社を黒字転換させました。
フロンティアスピリッツと、データ主義を併せ持つジェフベゾス。amazonの労働環境が非常に厳しいことが何回も取り沙汰されたり、慈善事業にはほぼお金を回さなかったり、また最近になって25年連れ添った妻と離婚を発表したりと、なにかと世間を騒がせています。熱いハートと優れた頭脳の両方を持つ稀代の天才なのか、はたまた冷徹な独裁者なのか、これからのベゾスの動向に要注目です。