大学受験生の1日のパターン#49
ここ数年、世間では「ゆとり世代」などと言われ、実際に学力低下が叫ばれていました。世界の大学ランキングでも日本の大学は大きく順位を落としています。
日本では中国や韓国と違い、大学に入学した時点で強制的な勉強は終了します。入学後にも勉強を続ける学生は当然ながら存在しますが、どちらかと言えば大手企業にコネクションをたくさん持っている教授やラクに単位をくれる教授の授業が人気になるのはどこの大学でも共通しています。アルバイトをしたり、長期旅行に行ったり、いろいろと学業以外のことに勤しみます。それはそれで、よいところもあるので一概に外国が良くて日本が良くないということではないと僕は考えています。
学力が低下したとはいえ、そんな簡単に、有名大学に入れるわけではありません。今回は難関大学(東大、京大、早慶上智、同志社)に現役合格を果たした受験生がどのような生活を送っていたか、1つのモデルケースを紹介します。これが全てではありませんので、1つの例として参考程度にしていただければと思います。
意外と部活をしっかりやり切ってから大学受験に臨むという人も多かったので、引退してからの夏以降を設定します。
だいたい午後4時くらいには授業が終わり、帰宅までに1時間くらいはかかるとしても夕食前に1時間くらい勉強します。そして食事や入浴を済ませ、だいたい12時くらい、朝早めに起きて勉強しない人は1時くらいまで勉強しています。
割と共通していたのが、以前にも書きましたが睡眠時間の確保。5〜7時間くらいはしっかり確保している人が多かったです。あとほとんどの人が実践していたのが、1回の勉強時間は長くても1時間30分まで。50〜60分くらいで休憩をしている人がほとんどでした。
しかし、休憩の取り方が特徴的で、まさに「脳を休める」ということにのみ時間を使っています。一般的に行われる(であろう)携帯電話をチェックする、テレビを見る、お菓子等の夜食を食べるといった行為はその日の勉強時間が終わった後にするという人ばかりでした。中にはそういったものを一切遮断している人もいました。これをやってしまうと10分休むつもりが20分になり、気がついたら1時間程度は軽く経過してしまうというのが大きな理由でした。そもそも携帯電話を部屋に持ち込まないというのも共通していました。
過去問については、11月くらいからという人が多かったです。それまでの基礎固めに時間をかけています。特に国立大学においては超難問は解けなくても十分に合格点に達するため、基礎問題、標準問題を一瞬で解ける練習をひたすら繰り返していきます。それでも最終的には10〜25年分の過去問を解くのですから、やはり時間の確保は並大抵ではありません。
あと彼らの多くは、食事を待っている時やトイレに入っている時、あとは電車やバス通学の人はその中でのインプットの時間(英単語や地歴の一問一答など)を勉強時間とカウントしていませんでした。「そういえばあれも勉強かな」といった感覚でした。
休日も起きる時刻は変えず、学校に行っているのとほぼ同じタイムスケジュールで勉強するため、10〜13時間くらいはトータルで勉強します。
勉強は、時間をかければかけるほど絶対に伸びていきます。やり方が間違っていたり、我慢ができないと伸びは止まってしまいますが、正しいやり方でしっかり時間をかければどんな人間でも確実に伸びていきます。数年前に偏差値30台の女子高生が慶應大学に合格した実話をもとにしたドラマが大ヒットしましたが、あれは努力した本人と正しい努力をさせた講師の方法論が結実したものです。あの話ほど有名ではなくても、そこまで学力が高くなかった受験生を有名大学に合格させたという話はそこそこ力のある講師なら1つくらいは持っているものです。
身も蓋もないような言い方かもしれませんが、いかに時間をかけるか。正しい努力ができるかが重要です。少しでも興味があるのならば「自分なんて」とやる前から諦めてしまうよりも、試してみる価値は十分にあると思います。