偉人伝 ジャック・マー①#57
諦めなければ、成功する可能性は決して閉ざされることはない。ジャック・マーはそれを僕たちに教えてくれているようです。
世界最大のプラットフォーム、GAFA。アメリカの歴史に名を刻む、超巨大企業に対抗できる中国の企業が、ジャック・マー率いるアリババです。中国を世界最先端の国に押し上げた功労者の1人であるジャック・マー、彼の人生は華麗なる天才たち、例えばラリー・ペイジのような完全無欠の人物とは似ても似つかないものでした。
中国の、いわゆる普通の家庭に生まれたジャック。これからの時代、英語が大切だと思った当時中学生のジャックは、朝早く起きては自宅近くのホテルまで出向き、無料で観光スポットを案内するという生活をしていました。ちなみにジャックというのはその時につけられたニックネームだそうです。本名は馬雲と言います。
こんなに意識の高いジャックでしたが、学校の成績は芳しくなく、大学受験に2度失敗。大学進学を諦め、三輪自動車の運転手となります。
いったんは大学進学を諦めたジャックでしたが、このままでは良くない!と一念発起して再び勉強を始め、杭州師範学院という先生になるための大学の英語科に入学することができました。しかしながら補欠合格という、およそ優秀な成績とは程遠い内容でした。学校の勉強に興味がなかったのか合わなかったのか、一貫して熱心に勉強する割には成績は良くありませんでした。
いわゆる「劣等生」ぶりは就職活動時にも発揮されてしまい、30社くらい受けてすべて不採用という屈辱を味わってしまいます。ケンタッキーのアルバイトまで不採用になってしまったということです。にわかに信じがたいですね。さらにハーバードに留学しようと10回程度願書を書くのですが、全回入学拒否をされています。
就職活動をしても採用されないので、ある意味「仕方なく」、事業を興します。得意の英語を活かし、翻訳の仕事をする会社を始めるのですが、なかなか本業がうまくいかず、物販等で売り上げをあげる生活が続きました。出身大学の紹介でなんとか採用してもらった大学での英語講師をしながら生活費を工面していました。
努力の甲斐あって徐々に仕事も軌道に乗り始め、あるとき通訳の仕事でアメリカに行ったとき、ジャックは運命的な出会いを果たします。
それが、インターネットとの出会いです。
パソコンを起動し、検索エンジンで調べたい言葉を入力すると世界中の情報をすぐに得ることができる。言論統制をしている中国では見たこともなかったこの新しいツールに、新しいビジネスの可能性を確信します。
帰国直後、新規事業の立ち上げを宣言するジャック。しかし従業員は猛反対。「アメリカに騙されている」と言った従業員もいたそうです。
しかしジャックは譲らない。こうと決めたら必ず実行する男です。そして企業を紹介するウェブサイト、「イエローページ」を立ち上げます。
ジャック・マー、31歳でした。