模試への準備#59
今年度はいろいろと不測の事態にみまわれましたが、高校受験を控える受験生たちもそろそろ志望校選びや併願校の選択などが現実味を帯びてくる時期にさしかかってきます。
志望校を決定する判断材料のうち、大きな割合を占めることになるのが各出版社等が企画している模擬試験の成績になるかと思います。今回は模試の受け方、準備について書いてみます。
まず受ける前ですが、模試は範囲が決まっていないので特に対策をすることなく受ける、今の中高生がよく使う言葉を借りれば「ノー勉」で受ける人がほとんどかと思います。それが一概に悪いとは言いませんが、では範囲が決まっていない入試本番を「ノー勉」で受ける人ってどのくらいいるのでしょうか?厳密に言うと範囲は「決まってない」のではなく「とても広い」のです。範囲は決まっています。受験本番になれば、そのとてつもなく広い範囲の中を、何かしら自分で課題を見つけて勉強して臨むのではないでしょうか。模試をを受ける前から「模擬」と捉え、だいたい1週間前くらいから何をどれだけ勉強するのか、計画するだけでも意義があることではないかと思います。同じ学習計画を立てるにしても1回目と2回目ではやはり2回目の方が上手にできます。
今年は特に自宅受験と会場受験を選択できる試験が多いですが、どちらでもよいと思えるなら絶対に会場受験をお勧めします。自宅から会場に向かうまで、いつもの通学路とは異なるルートを通って会場に向かうというのも「模擬」しておくのとしてないのとでは違ってくるはずです。周囲に知り合いもいない中での気分転換の仕方、休憩時間の過ごし方、次の試験前には何を勉強すべきかまで、全てがいい経験になります。
そして実際に試験を受けるとき、可能ならば問題用紙に答えを写しておきましょう。模試は終了直後に模範解答を配られることが多いので、自己採点に使います。自己採点を嫌がる人も多いですが、今の自分の実力を測るために模試を受けているわけですから、必ず自己採点は行いましょう。受験直後なら覚えている問題も多く、効率的に復習することが可能です。
余裕があるなら(というか受験勉強に直結するので必ずやった方がよい)間違えた問題の分析をしましょう。模試は作成者が該当学年のこの時期ならばおそらく習っているであろうという推測のもとに範囲を定めて作成しているため、まだ習っていない単元からの出題も可能性はゼロではありません。まだ習ってないからわからなかったのか、習っているけどわからなかったのか、それとも今落ち着いて取り組めば解くことができるのか、このあたりを自分なりに分析し、問題用紙にマークしておきます。まだ習っていないならば予習して問題集を解くか、授業がそこまで進むのを待つか、どちらでもよいと思います。習っているけど忘れていた、解けなかった問題は教科書や参考書で再確認し、該当単元を解いてみましょう。落ち着いていたら解くことができた問題は、理解はしているけれど定着率があまり高くない問題なので理科や社会なら1問1答、数学なら解法を口頭で説明できるようにするなど、簡単に復習しておけばそれで大丈夫です。
あとは模試で残されているイベントは成績返却ですが、ここでは自己採点と実際の点数の開きをチェックするのみです。さほど開きがなければ正しく実力を測ることができていることになるので、それで模試に関しては終了です。仮に自己採点と結果に大きく開きがある場合、特に結果が予想より低かった場合は次回以降から厳しめに自己採点を行いましょう。ここでみんなが気にする判定については、直前の模試まではそんなに気にする必要はありません。復習していればもうすでに1段階も2段階も高いレベルに自分はいるわけだし、すんだことを気にしても仕方がありません。「もうこの時の自分とは違うぞ!」くらいの気持ちで次の模試に臨みましょう。良い結果だった人は素直に喜びましょう。ただまだこれは「途中経過」であることを少しでいいので頭の中に残しておく必要があります。過去の、その段階では合格する可能性が高いという話ですので、そのまま受けて合格するというわけではありません。
今回は模試の受け方について書きました。今年度は準備期間も短く、いろいろ振り回された部分もあるかと思いますが、条件はみんな同じです。焦ることなく、しっかりと準備して、受験を乗り切りましょう。