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大宮立志塾 活動日誌

『文系でもよくわかる 世界の仕組みを物理学で知る』  (前編)#25

著者:松原隆彦

 

自分の身の回りに起きている様々な事象を物理学的視点から捉えた作品です。

 

随所に難しい言葉はどうしても入ってくるのですが、それでも高校1年生のときに物理を選択したものの難しすぎて挫折した僕でも楽しく読むことができました。

 

以下、この本の内容に自分なりの解釈を加えていくつか例をあげてみます。

 

携帯電話がなぜ正確に自分のところに電話がかかってきたり、メールが届いたりするのか、不思議に思った人もおられるかと思います。

電波がなんとかかんとか…みたいなところまではご存知の方も多いでしょうが、じゃあその電波がどう関係しているのか。

簡潔に極論してしまうと、ラジオの周波数を合わせるようなものだそうです。それぞれが持ってる端末に専用の周波数が与えられていて、それに合わせると相手とつながるという仕組みになっているそうです。ただ、2019年現在の携帯電話契約数は世界人口を超え、なおかつ携帯電話に利用できる周波数は限られているため、同じ電波を使いながらコードを変換することによってユーザーを識別するといった工夫もされているそうです。電波は弱くはなったりすることはあるものの金属以外のものは通り抜けたりすり抜けたりすることができるので、これが建物の中にいても通話できる理由になっています。金属は電波を跳ね返してしまうため、たとえばアルミホイル等で携帯電話をくるんでしまうと電波が届かなくなるようです。おもしろいですよね。

 

電波とは文字通り「波」の性質を持ち、「回析」といって障害物をすり抜けることができる特徴をもっており、この部分においては(直進しかできない)光よりも優れています。電波は現代に住む僕たちには欠かせないものになっていますよね。

 

(次回へ続く)

2020年06月27日 13:26

試験勉強に共通する考え方#24

今の時期、多くの中学生、高校生が試験前にあたるかと思います。そこまで直近ではなかったとしても試験日が公示されたりするなど、なんらかの動きがあった人は多いのではないでしょうか。

 

今回は資格試験も含め、試験勉強に共通する心構え、考え方をお伝えします。

 

まず多くの中高生にとって、試験は好きなものではないですよね。できれば避けたい。でも避けるわけにはいかない。こんな心境だと思います。

 

ようするにとても興味があり、その分野についてたくさん知りたい、たくさん問題を解きたい、なんていう状態ではないわけです。

 

脳は感情にとても素直なもので、こういう負の感情が大きいものに対しては記憶が残りにくいという特徴があります。

 

これが逆に自分が関心があるもの、好きなものについてはすぐに覚えることができます。好きなアイドルやゲームのクリア方法、漫画やアニメのキャラクターなんかは覚えようとしなくてもすぐに覚えることができるという人は多いです。自分たちは簡単に覚えられるのに、大人に何回も説明しても覚えてもらえないという経験をした人もいるはずです。

 

とはいえ勉強なんてそうそう好きになることはできません。そもそも興味のないことを、点数を取るためだけに覚えるのですから無理もありません。

 

ではどうするか。

 

もうこれは、繰り返し復習すること。これに尽きます。

 

まぁ、当たり前のことすぎて申し訳ないのですが、すべての試験に共通するのはこれしかありません。

 

具体的に何回復習すればよいかというと、最低3回、確実性を持たせようとするならば5〜7回は復習すべきです。

 

何年前かは忘れましたが、東京大学に合格した新入生にアンケートをとった集計結果を見せてもらったところ、1つのことに対して平均13回復習したというデータが出ていました。そもそも頭の良い人たちばかりが集まっているという印象の東大ですが、努力なしで合格を勝ち取ったわけではないということがわかります。

 

多くの人が学校で1回、学習塾等で1回、試験前の課題で1回、これでギリギリの3回。割とモチベーションを高く保つことができればこれでなんとか最低限の理解はできます。試験前の課題を適当にこなすようにやってしまったり、学校の授業をほとんど聞いていなかったらこれはカウントされないので、もっと回数が必要です。

 

「これ以前やったんだけどなぁ、忘れちゃった」という経験をした方は多いと思います。しかしこれは「以前学習した」という記憶が残っているぶん復習をはじめると思い出す場合が結構あります。このサイクルを4〜5回ほど繰り返せば、脳の中の長期記憶ができるところに残るというわけです。

 

勉強するとき「嫌だけど、覚えないといけないなぁ」くらいの気持ちは必要です。「面倒だし、やりたくないから適当にやればいいや」というような心境ではまず勉強に向き合っていないので、これはやったうちに入りません。

 

何回忘れたって、そこは大きな問題ではありません。忘れたら、また覚えなおせばいい。そしてゼロから覚えなおしているなんていうことはありません。少しずつ、ほんの少しずつ蓄積されていきます。

 

自らの経験と、教えている生徒の手応えから言えるのですが、ある日ある時「わかった気がする」という時があります。ここから加速度的に理解が深まり、復習するスピードも劇的に上がってきます。短時間で復習することができるので、それで復習する回数が増える→理解が深まるというサイクルができあがるわけです。

 

最初の1回、2回で諦めず、最低もう1回。高得点を目指すのであればあと3回、復習してみてください。

 

勉強が嫌な人はいても、高得点を取ったテスト結果が嫌という人は今まで聞いたことがありません。テストでいい点数をとって、嬉しかったという経験をした人はたくさんいるのではないでしょうか。試験勉強する時にはぜひそのイメージをもって、頑張ってほしいと思います。

2020年06月25日 14:50

英検対策の1つのやり方#23

いろいろと変更を余儀なくされた2020年度ですが、第1回の英検、実用英語技能検定試験は無事に予定通り実施されるようですね。

 

資格としてもっともポピュラーなものであり、近いうちに大学受験英語の一翼を担うであろう英検ですが、皆さんどのように勉強しているのでしょうか。

 

ここでは、自らの経験談と合格した人としなかった人の違いなんかを書き綴ってみます。

前提として、おそらく中高生が多く受けるであろう2級、準2級、3級あたりを想定しています。

 

短期決戦を希望される方、もしかしたら助けになるかもしれません。

 

◆英単語

まずは英単語です。出る順パス単シリーズなどの単語集を繰り返します。2級までなら単語量が絶対です。文法問題はそんなに出題されないので、やはり英単語を覚えることが1番短期間でできる対策です。小学生で英検3級、中学生で英検準2級に合格した人はみんな口をそろえて「単語を覚えることに時間をかけた」と言います。

 

◆過去問

英検はやはり資格試験なので、過去問からの出題率は結構高めです。選択肢を選んでおしまいにしてしまうのではなく、正解ではない単語で知らない意味があれば調べて覚えてしまいましょう。過去問で選択肢となって出てきた英単語が、次の試験で長文の中に出てきたなんていうのはよくある話です。問題形式も問題数も決まっているので、時間配分を決めておくと当日焦りなくできるかもしれません。

 

◆英作文

3級以上は英作文が出題されるのですが、これも問題に対して意見を述べ、その理由を2つ(準1級は3つ)英文で書くというものです。

これに対しては、自分の意見を書く場ではないという認識を持ち、書きやすそうな意見にすることが何より大切です。

文法に関しては、自分が自信を持っているものを使うようにしましょう。英作文は減点方式なので、間違った文法や語法は致命的です。逆に言うといかに簡単な文法のみで構成されていようと、単語の綴りや使い方に誤りがなければ高得点が期待できるわけです。

自分のひな型をもって試験に臨みましょう。

 

◆リスニング

リスニングについては、少なくとも2週間前から1日1回は過去問を繰り返し聞いておくことをお勧めします。

あと心構えとして、「全て聞き取る必要はない」ということを覚えておくとよいです。

一言一句会話や文章を記憶するなど、おそらく日本語であっても至難の業です。ようするに話していることがだいたいわかればよいのです。スポーツの名前や今からしようとしていること、地名や人名など主に名詞に注意を払って聞くようにします。

そして質問文の聞き取りは、とにかく一語目に集中します。疑問詞を使った文なら何を聞いているのか、使っていないならクローズドクエスチョンなので何を聞いていたのか、一語目を聞けるか聞けないかは大きなウエイトを占めます。

 

余裕があるのならリスニング文を真似て読んでみるのも効果的です。人間の耳は発音できることは割と容易に聞けるので、聞き取りがかなり楽になります。二次試験の対策にもなるし一石二鳥です。

 

英検も名の通り検定試験なので、要求される技量が明確です。絶対評価なので規定の点数をクリアすると必ず合格します。週末受検される方は、無事に合格できるように最後まで頑張ってください。

2020年06月23日 08:04

論語②#22

論語②#22

 

前回から引き続き、論語の言葉の解説をしていきます。

 

 

■これを知るをこれを知るとなし、知らざるを知らざるとなせ。これ知るなり。

現代語訳:知っていることは知っている、知らないことは知らないとする。それこそが「知る」ということだ。

(補足)知ったかぶりをやめて、知らないことは「知らない」と言うことが、真の「知る」ことだと言っています。「無知の知」ともつながる言葉ですね。

 

 

■学んで思わざればすなわち罔(くら)し。思うて学ばざればすなわち殆(あやう)し

現代語訳:学んでも思考しなければどう活かしたらいいのかが分からない 思考してしてばかりで学ばなければ危険である

(補足)多くの中学校の教科書にも掲載されていること文ですが、意味をとるのに苦労した経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。これは、知識や情報は自分の頭で整理して考えないと、本当に役立つものにはならない。また、一人で考えても情報を得なければ、懸命な判断ができず独善的になってしまう。

「学ぶこと」と「考えること」はどちらに偏ってもいけなくて、両方を行っていきなさいということです。

 

 

 

■故(ふる)きを温めて新しきを知る、もって師となるべし

現代語訳:古いことをよく探求して現代に応用できるものを知っていく そういう人こそ人の師になれる

(補足)あまりにも有名なこの一節。「温故知新(おんこちしん)」という四字熟語にもなっている言葉ですね。いま正に『論語』を学ぶ私たちにも言える言葉です。

 

 

 

■吾(わ)れ十有五にして学に志す。三十にして立つ。四十にして惑(まど)わず。五十にして天命を知る。六十にして耳順(した)がう。七十にして心の欲する所に従って、矩(のり)をこえず

現代語訳:私は15歳で学問を志し、30歳で独立した立場を持った。40歳であれこれ迷うことがなくなった。50歳の時に天から与えられた使命を知った。60歳になって誰の言うことでも反発せず聞けるようになった。70歳になると自分の思うままにふるまっても、道を踏み外すことはなくなった。

(補足)孔子は74歳まで生き、晩年に自分の一生を振り返った言葉だと言われています。当時としては稀に見る長寿であり、平均寿命の延びた現代にそのまま当てはめることは難しいのですが、人の一生を考える参考になります。

この論語から、15歳を志学(しがく)、30歳を而立(じりつ)、40歳を不惑(ふわく)、50歳を知命(ちめい)、60歳を耳従(じじゅん)、70歳を従心(じゅうしん)という言葉が作られました。

 

 

 

■義を見てせざるは勇なきなり

現代語訳:人として行うべきことを知っているにもかかわらず、できないのは勇気が足りないからだ

(補足)正しいことでも行動を起こすには勇気が必要です。勇気が足りないことに気付かせ、行動を起こすように促す励ましの言葉でもあります。

 

 

 

■君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず

現代語訳:賢い人は人と調和するが安易に同意はしない 愚かな人は意見がなく流されるが協調性はない。

 

 

 

■過ぎたるはなお及ばざるがごとし

現代語訳:行き過ぎは足りないのと同じようなことだ。

(補足)バランス良く適切に物事を行いましょう。やり過ぎもよくないですよ、という教えです。

 

 

 

■益者三友、損者三友

現代語訳:自分にとって益になる友達が三種類、害になる友達が三種類いる。

(補足)益になる友達とは、「まっすぐ正直な人」、「誠実な人」、「博識な人」のことです。

一方、害なる友達とは、「体裁だけを取り繕う人」「人当たりはいいが誠実でない人」「口先だけ上手い人」のことを指します。

友人は慎重に選ぶべきだという意味が込められています。

 

 

 

■益者三楽、損者三楽

現代語訳:自分にとって有益な楽しみが三種類、損をする楽しみが三種類ある。

(補足)有益な楽しみとは「礼儀、音楽を適度に楽しむ」「人の美点を話題にすることを楽しむ」「優れた友達の多いこと楽しむ」ことです。

損をする楽しみとは「おごりわがままに楽しむ」「怠け遊ぶことを楽しむ」「酒を飲んで騒いで楽しむ」ことだと述べています。

 

 

今回紹介したのは『論語』の一部で、この他にもまだまだ数多くの名言があります。

 

論語には、学習や人付き合い、親子関係や老後についてなどを記した語が散りばめられています。「仁」という思いやりの心、「義」という道理に適うこと、「礼」を忘れないこと、「智」恵を備えてわきまえること、「忠」という真心、「信」頼されるよう誠実であること、「孝」行することが大切だと述べられています。この中でも特に重要視されたのが、「仁」と「礼」です。

 

「論語」には、現代人も学ぶべきところがたくさんあります。紀元前にこのような思想がすでにあったということに、改めて驚いてしまいました。

2020年06月20日 14:20

論語①#21

参考文献

「論語」全20篇

加地伸行著「論語 増補版」

 

前回「論語と算盤」という渋沢栄一の著書を扱い、記事を書きました。

今回はそもそもの「論語」について記事を書いてみます。

「論語」は、古代中国の思想家、孔子の教えを弟子たちが書き留めたものです。実は孔子が書いたものではないんですね。

 

人の生きる道や考え方、道徳などを述べており、現在の大人子どもに限らずでも参考になることがたくさんあります。

 

多くの中学生が国語の授業で触れる「論語」

の世界、ここではその中からいくつか選んで現代語訳と解説をしていきます。

 

■学びて時にこれを習う、また説(うれ)しからずや

現代語訳:学んだ事柄を実践する機会を得られるというのは、なんと嬉しいことではないか

(補足)「時に」は「しかるべき時に」という意味です。「習う」は「学習する」という意味よりも「実践する」と考えた方がしっくりきます。

論語の一番初めの一節で、とても有名な言葉です。

 

 

■朋あり、遠方より来る、また楽しからずや

現代語訳:同じ師のもとで学んだ友人が遠方からやって来る、こんなうれしいことはない

 

 

■人知らずして慍(うら)みず、また君子(くんし)ならずや

現代語訳:人が自分のことを分かってくれないからと言って腹を立てないのが一人前だ

(補足)君子とは、人徳と品格を兼ね備えた人格者のことです。

論語ではたびたび、君子と一般人の違いについて説かれています。

 

 

■巧言令色(こうげんれいしょく)、少なし仁

現代語訳:言葉ばかり巧みで愛想のいい人に、誠実さがあることは少ない

(補足)言葉数が多いことを孔子はあまりよしと思っていないようです。「黙して語らず」というのが美徳とされたかつての日本人のルーツとなっていると考えられます。

 

 

■これを知る者はこれを好む者に如かず。これを好む者はこれを楽しむ者に如かず。

現代語訳:知っているだけの人は好む人に勝てない 好む人は楽しむ人に勝てない

(補足)物事を知っている人よりそのことを好きな人の方が上であり、好きな人より楽しんでいる人はさらに上であるという意味です。

物事を極めたければ、知るより好め、好むよりも楽しめ、とも受け取れます。いろんなことに応用がきく言葉ですね。

 

 

■速やかならんと欲することなかれ。小利を見ることなかれ

現代語訳:成果をあげようと焦らないこと。 目の前の小さな利益に捉われすぎないこと。

この言葉に続けて、早く成果をあげようとすると成功しないし、小さな利益に気をとられると大きな仕事は完成しない、という言葉が続きます。

 

 

■過(あやま)てば則(すなわ)ち改(あらた)むるにはばかることなかれ

現代語訳:失敗に気付いたら、ぐずぐずせずにすぐに直すこと

論語では人間が間違いを犯すことを認めています。間違うのは仕方ないから、そこからどうしたらいいのか?ということに重点を置いています。

 

少し長くなってしまいそうなので、今回はこのへんで終わりたいと思います。

2020年06月18日 06:12

論語と算盤#20

参考文献

守屋淳著「現代語訳・論語と算盤」

守屋淳著「まんが超訳・論語と算盤」

渋沢秀雄著「父 渋沢栄一」

 

今回の騒動でどうなるかはわかりませんが、2021年の大河ドラマの主人公であり、2024年から一万円札の肖像に起用される渋沢栄一の代表作。晩年になってから書いたものであるからこその、「偉業を成し遂げた者」の思想が出し惜しみすることなく記されています。

 

日本資本主義の父と言われる渋沢栄一。三井銀行や王子製紙、東洋紡、東京電力やサッポロビールなど現在においても影響力の大きい企業の設立に携わっています。その数は大小合わせて470にものぼります。

 

その出自がとても特徴的で、農民の家に育ちながら17歳で維新の志士として志を立て、かの有名な一橋慶喜に仕えることになります。もともと倒幕思想を持っていた渋沢が後の将軍に仕え、そして慶喜の弟の付き人としてパリ万博に派遣されます。パリから戻ってきた時には幕府はなくなっているのですが、大隈重信の推挙により大蔵省の役員として活動していくことになるのです。

しかし次第に「国力強化には実業が欠かせない」という思いが強くなり大蔵省をやめ、実業界に身を置くのです。

 

まさに経済界のスペシャリスト。ここまで読むと損得勘定に優れ、利益最優先主義の人物であるかのように想像されますが、そんな渋沢が経営の指南書としたのが道徳を説いた「論語」なのです。

 

簡単に言うと「お金儲けは大切だ。しかしお金儲けさえできれば、他人はどうなってもよいというわけではない。実業とは社会のためになる道徳性のあるものでなければ、国は衰退してしまう」と考えていました。

 

これは「利益を無視して、社会のために貢献しなさい」というわけでは決してなく、この両者が並びたってこそ国は豊かになっていく。理想論ではなく、現実に即した道徳というものが大切であると論じています。論語と算盤、なんと的を射たタイトルなのだと、思わず唸ってしまいました。

 

ちょっと読書が苦手な人や若年層向けに漫画版も出ており、いろんな人が現代語訳をしています。全てを読まなくても、序盤だけ読んでも新たな発見をする方は多いかと予想します。今までお札にならなかったことが不思議なくらいの人物である渋沢栄一の著書、一読の価値ありです。

2020年06月16日 08:06

英語学習と英会話学習#19

日本人における、英語学習と英会話学習は似て非なるものであるとよく言われます。

 

日本生まれで日本育ち、だけどネイティブに近いレベルで英語を話せるような人が、学校時代の英語の成績で赤点を取ったなんていう話はよく聞きます。

 

いったい、何が違うのか。

 

日本の学校の英語教育は、間違えないための学習です。文法はどうか、単語のスペリングは合っているのか、ピリオドやコンマは正しくついているかなどチェック項目がたくさんあり、間違えると当然ながら点数がもらえません。文法も微妙な違いまで学習するので、高校英語までが完璧にできれば英語圏で生活するには知識的に全く困りません。

 

しかしながら、英検で準1級を取れるような、大手予備校の模試で偏差値70以上をマークするような人でも、準備なしではほぼ英語を使いこなすことができません。日本の英語学習は読み書きが中心であること、そして学習法が主に傾向を分析した上で対策を練る、いわゆる試験で点を取るための学習法が一般的なので、言葉そのものを学ぶことができていないということが大きな原因だと言われています。アルファベットが、正解を導くための記号と同じように見えているというわけです。

さらに英語学習を積み上げた人であればあるほど、文法的に合っているかどうかを気にしてしまう傾向にあるため、話はじめのところで躊躇してしまう方が多いようです。

 

一方、英会話学習はどうかというと、耳に頼った学習法が主だったものになるので、読んだり書いたりはほとんどしません。英会話教室はそれぞれ民間の組織になるので一概にこうであるというのは言えませんが、文字として記憶ができないぶん忘れてしまうことも多いようです。文法などもほとんど学習しないので、決まったフレーズ以外に応用することが難しいということも多いようです。

 

この2つをバランスよく取り入れることが、英語を使いこなすためのカギではないかと、僕は思っています。英語学習において、ある程度の文法、単語を知識として持っておく。そして英会話学習のように、何が間違いなのかもわからないくらいの無頓着さで会話を続けていく。そもそも会話のゴールは、自分の思っていることを相手に伝えることや、相手の考えていることを理解することにあるはずです。多少文法的に間違っていようが、相手に伝わればそれでよいのではないかと僕は思います。

 

以前書いたリスニング学習法と合わせてバランスよく学んでいけば、実用的な英語を使いこなすことができるようになってくるはずです。どちらに偏っても話せるようにはならないし、読んだり書いたりすることもできません。

 

ただ、前述したとおり、日本生まれ日本育ちで英語をネイティブレベルで使いこなせる人が学校英語の成績で赤点を取っていたというのはよく聞く話なので、日本の外国語教育の方針はもう少し改善する必要があるのかもしれません。多くの日本人は、海外旅行に行った時に困らない程度の語学力があれば十分なのですから、そのあたりを踏まえた上で指導要領を作成してもらえれば、もっと英語が話せる日本人は増えてくるのではないかと僕は思います。

2020年06月13日 16:26

1%の成長#18

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毎日1%の成長を続けていくと、1年後には何倍になっているか?大学の卒業式や、予備校等でよくされる話です。

 

答えは37.78倍です。感じ方は人それぞれですが、僕はすごい大きい数値だと思いました。0.01を365回足すのではなく、今日が1だとすると明日は1.01、そしてこの1.01にまた1.01をかけるので、1.02となり、これを繰り返していくわけです。中学生で習う累乗の話に沿って話をすると、1.01の365乗というわけです。

 

1%成長しても、しばらくの間はあまり成長を感じられません。うまくいくのか不安になることもあるかと思います。しかし、あるところを境目に加速度的に伸びていきます。180日で6.00倍で、365日で37.78倍まで伸びるので、後半の伸び率がいかに高いかわかるかと思います。

 

これは何も、理論上の話ではありません。

 

数学にあてはめると、まずはひたすらに例題等の模範解答を見ながら計算していく。そうすると計算力がつくと同時に解法が頭の中に次第に入ってきます。そして同じ時間でも解くことのできる問題が多くなります。ようするに演習量が増えるわけですね。そうしているうちに公式や定理が頭の中に入り、さらに理解が深まります。

 

といった具合です。

 

スポーツの世界でも、これは同じです。

まずはひたすらに基礎練習を重ねる。この段階では成長しているかどうかなどわかりません。しかし繰り返し練習していると、動作が体にしみついて動きが速く、滑らかになります。そうすると先ほどの数学の場合と同じで、同じ時間でも練習できる回数が増えてきます。さらにその技術が磨き込まれます。実戦でも使ってみようと思えるレベルまで到達し、失敗したらどこが悪かったかを修正して自分に合った技術にアレンジができます。アレンジができることその技術が実戦で使えるようになり、成功するからこそさらに自信が深まり、思い切って技術を駆使するからこそまた決まるという循環になります。ここまでくると加速度的に伸びが実感できるはずです。

 

逆に1%ずつ後退していくと1年後は0.03倍にまで落ち込んでしまいます。やらなくなると忘れてしまうということですね。

 

たかが1%です。しかも最初はなかなか成長が感じられません。しかし目には見えなくとも、着実に成功へと近づいている。

 

自分の成功する姿をイメージしながら、今の我々も目の前にある課題に全力投球していきましょう。

 

必ずや、大きく成長することができるはずです。

2020年06月11日 06:52

最高の体調#17

慶應義塾大学SFC卒業後、数多くの科学論文から知識を経て、サイエンスライターとして独立した鈴木祐氏の著書。出版社勤務を経て独立。医学や心理学という特定の分野にとどまらない構成に思わず一気に読んでしまいました。

 

一日寝ても疲れが取れず、調子が悪い。会社に行っても仕事に集中できず、会社に行きたくない。ストレスのはけ口を高カロリーの食事に求め、結果あらゆる基礎疾患を抱えることになった。こうした現象を筆者は「炎症」と呼んでいます。炎症は、外傷や関節だけではないと捉えています。

 

そして健康上の問題とビジネス上の問題は、普通は別々のものとして扱われます。しかし筆者はこれを同一線上にあると考え、より根本的な解決法を提案します。

 

過ぎたるは及ばざるが如しということわざがありますが、現代社会は「多過ぎて、少な過ぎて、新し過ぎる」のだそうです。一例として、多過ぎるものに情報やカロリー、少な過ぎるものに睡眠や他人との深いコミュニケーション、新し過ぎるものに加工食品やデジタルデバイスをあげています。思わず「なるほどなぁ」と感心してしまいました。

 

人類が農耕社会へ移行したのはわずか1〜2万年前のことです。約600万年ものあいだ、人類は狩猟採集生活を営んでおり、私たちの体もそうした環境に適応するべく進化してきました。この農耕社会への進化が人類に様々な革新をもたらせたことは言うまでもありませんが、逆に副産物も多く産みました。

狩猟採集生活をしていたときには人類の平均身長は180cmあると考えられています。それが農耕社会へ移った後、160cmまで落ち込みます。これは食生活が劇的に変わったためであると筆者は主張しています。

 

 

やせたくてもつい高カロリーな食事を選んでしまうのも、じつは人類の体に古代から染みこんだ遺伝的な性質が関係しているということです。いつ食事にありつけるかわからないような生活では、高カロリーな食事を積極的に取り込むことが必要不可欠でした。今は高カロリーなものが溢れ、この状態を「多すぎる」と表現しています。意志の弱さが原因だと安易に考えていては、なかなか解決まではたどりつきません。

 

その他様々な角度から、現代社会の抱える問題に解決策を提案しています。食生活をはじめ心の持ち方やライフスタイルまで、現代をストレスなく生きていく具体的な手段がたくさん書かれています。

 

難しい言葉もそこまで多くなく、中高生にも読みやすい本です。特に体調が悪くなかったとしても、一読の価値は十分です。

 

この不安定な時期、心中穏やかではない日も多いかと思います。気になった方は、ぜひ一度読んでみることをお薦めします。落ち着いた日々を過ごす1つの手助けになることうけあいです。

2020年06月09日 08:43

外国語の聞き取り学習法#16

これをご覧になっている多くの小学生、中学生、高校生の方は学校への登校が始まり、以前通りとは言えないながらも授業が開始されたことと思います。

 

今年は入試制度が変わったり、学習指導要領も一部変更があったりと、今回のような騒動がなくてもいろいろと新しい対応が必要な年度です。

 

特に大きく変わるのが英語におけるリスニング(聞きとりテスト)の割合で、昨年までのセンター試験に代わる大学入学共通テストにおけるリスニングの割合が前年度までの25%から50%に倍増しています。つまり、従来型の「読む、書く」ことをトレーニングしているだけでは英語は高得点を見込めない科目になったということです。

 

こういう流れはだいたい上から下へ2〜3年かけて降りてくるので、あと数年もすれば高校入試も同じ方向へシフトする可能性は大きいと予想します。

 

聞き取る力の強化。以前のように机に向かって黙々と勉強するだけでは身につかない能力です。

 

この力を鍛えるのに1番手軽で効果的だなと思うのは、自分の書いた英文を小声でいいので読みあげることです。人間の耳は不思議なもので、自分の発音できる音声は敏感に聞き取れるようにできています。先生や音源から聞いた音をそのまま真似て話す。それを繰り返すことで耳がその音を覚え、リスニングの際にその音を耳が拾うようになります。

 

いわゆる「聞き流し」ですが、これは副教材的に利用するのがおすすめです。聞き流す「だけ」で英語が聞けるようになるのは、頭の中にしっかり単語が入っている人か、もしくは小学校にあがる前の、まだ日本語さえあやういという幼児のみだと思います。ある程度日本語が身につき、耳が日本語に慣れ、英語を外国語として週に数時間学ぶといった頻度の人は聞き流すだけで勝手に聞こえるのはかなり難しいです。当然ながら全く意味がないわけではないので、トライする価値はあります。日本語には現在、たくさんの英語の単語が入ってきているので、聞き流していてもその単語だけは聞き取りやすいはずです。その単語数を増やしていけばいいわけです。

 

もっとしっかり学習したい方は、自分の発音した英語を録音し、それをお手本と聴き比べて、どこを修正するかを記録する。いわゆる「台本」のようなものを作るとよいです。チェックしたところは次回読むときには気をつけて読むはずなので、さらに発音が良くなり、発音が良くなるとさらにクリアに聞こえてくるようになります。高校生くらいにもなるとスマートフォンを持っている人が大多数だと思うので、録音も比較的簡単に行うことができますよね。

 

英語学習に近道はないというのは、多くの予備校や英会話学校の講師の方が仰っています。ただ「英語を勉強するぞ!」と勢い込んでやらなくても軽く口ずさむ、問題を解いているときに軽く発音する、これだけで普通に問題を解くよりも効果があがるので、やらない手はありません。学校も始まり、これからいろんなことに時間を取られると思うので、せめて効率的に学習を進めていってほしいと思います。

 

効果があがったよ!という方は、メールでもTwitterのDMでも良いので教えてくれると嬉しいです(笑)

2020年06月06日 10:53

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