大宮立志塾  埼玉県さいたま市(大宮・浦和)の柔道クラブ

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大宮立志塾 活動日誌

偉人伝 ロバート・アイガー③#46

かくしてディズニーCEOの座に就いたアイガーがまず行ったことの1つが、ディズニーと喧嘩別れしていたスティーブ・ジョブズに就任の連絡を入れたことでした。「ディズニー復活は、アニメーションの復活にある」と考えたアイガーは、IT時代の申し子であったジョブズと和解する必要があると考えていました。

 

「ディズニーは変わります」と繰り返し訴え続け、単独で会いに行ったりもしています。

少しずつジョブズもアイガーに信頼を寄せ始め、ある日大きな転機が訪れます。

 

アイガーのオフィスにやってきたジョブズが、切手数枚分ほどの大きさの小さなスクリーンを見せてくれました。当時発売されていたiPodは音楽を聴くことしかできなかったのですが、これは映像を映し出すことができるものでした。「これに番組を提供してくれるか?」と訪ねるジョブズにアイガーは即答します。かつては何枚も書類を作成し、合意書を書き直したり細かな内容を何度も詰めていかなければ契約にまで至らなかったディズニーの仕事のやり方を変えるというアイガーの決意表明でした。「ディズニーは変わります」という言葉に嘘はない。ジョブズに信じさせるには大きなインパクトを与えた出来事であったと思います。

 

アイガーは実際にピクサーに足を運んで驚愕します。ディズニーの何歩も先をいっている。ディズニーの未来はピクサーとの統合にあると確信したアイガーはジョブズと、そしてディズニーの取締役と粘り強く交渉を続けます。なかなか歩み寄りを見せなかった両者ですが、アイガーの執念ともいうべき交渉が実り、ピクサーアニメーションでディズニー映画を再び作ることが実現するのです。

 

この後、マーベル、そしてルーカスフィルムも傘下におさめることに成功したアイガーですが、何より誠意を持って対応することに重きを置いています。そして子会社にするというと、僕のような何も知らない人間はなんか上から物を言って下を従えるというようなイメージを持ってしまうのですが、アイガーの場合はまるで違います。元の会社の持ち味を最大限に尊重し、それでいてディズニーブランドを手がけるという大きなビジネスチャンスを提供する。お互いに手を取り合って良質なコンテンツを作っていくんだという姿勢を貫いています。当然個人としても愛情と信頼を持って接していくその姿勢は人としても見習わなければなりません。ピクサー買収の数年後には、アイガーがジョブズに対して「大株主として聞きたいのだが」というような言い方をすると「よしてくれ。私たちはかけがえのない友達じゃないか」と返したと言います。前代に喧嘩別れをし、しかもあまり人づきあいが得意ではなかったスティーブ・ジョブズにここまで言わせたことが全てを物語っています。

 

ディズニーのトップたる人物は、ディズニーファンに夢を見させてくれる素晴らしい人格者でした。政界進出も幾度となく噂されているようですが、今のところ可能性は全くないようです。60代も後半を過ぎてもなお、仕事への情熱は色褪せないと語るロバート・アイガー。いろいろな意味で、尊敬に値する人物です。

 

2020年08月16日 12:25

偉人伝 ロバート・アイガー②#45

かくしてABCエンターテインメントの社長に就任したアイガー。ドラマ制作など全くの未経験であったアイガーは社長にもかかわらず、いろんなスタッフに1から教えを乞いに話しかけます。これはトムとダンから学んだ、「自然体で接する」という姿勢でした。しかしそう事は簡単には運ばず、数々の失敗を重ねます。いずれもクリエイターの方針に口を挟んだことに起因していたということに気がついたアイガーは「クリエイティブな人間には全て任せた方がよい。人を最後まで信じ抜くことが大切である」ということを学んだと語っています。かくして取り組んだドラマが大成功。そしてその成功を見届けたトムとダンはキャピタルシティーズを勇退。キャピタルシティーズアンドABCカンパニーの次期社長にアイガーを指名するのです。

 

ここまででも立派なサクセスストーリー。「アメリカンドリーム」と呼ぶにふさわしい人生なのですが、ここからまた波乱の展開が彼を待っています。

 

なんとこのキャピタルシティーズアンドABCカンパニーを買収する会社が現れます。これがウォルト・ディズニー・カンパニーなのです。

 

当時の5代目CEOであったマイケル・アイズナーはディズニー再建を果たした人物として知られ、その時にはまだ珍しかったビデオ販売を手がけたり、いわゆる知的財産のブランディングに力を入れたり、テーマパークの周辺にホテルを建設したりするなど、今では当たり前のようなことを世界で初めて手がけていきました。ディズニー・カンパニーは創業以来の急成長を遂げます。

 

しかし強烈な個性の持ち主であったアイズナーには好意的な目で見ない人物も多く、かのAppleの創業者であり、当時はピクサーCEOであったスティーブ・ジョブズともあまり良好な関係を築くことができていませんでした。アイズナーは完全独裁主義で、ナンバーツー的ポジションを空位にし、45人のアナライザーにデータの提出を求めました。あくまで決定権は全て自分にあるという体制を敷いていました。

 

対立することも多かったアイズナーの下からは多くのクリエイターが離れていき、クリエイターとしての才能はなかった彼は次第に追い詰められていきます。映像制作の質も落ちていき、「同じものの繰り返しだ」と揶揄されていきます。さらに時代が変化していき、テレビ一強時代の終焉、CGアニメの台頭などについていけなくなっていきました。一方、ジョブズ率いるピクサー映画は大成功を収め、次第に優位に立っていきます。そして条件面で折り合いがつかなくなり、ジョブズも彼のもとを去ります。ちなみにその映画とは「トイストーリー」や「モンスターズ・インク」今でも大人気の映画ですね。

そして遂にアイズナーはウォルト・ディズニーの甥であるロイ・E・ディズニーとも激しく対立し、業績不振に陥った年の株主総会で失脚させられてしまうのです。

 

そして次のCEO候補に名前があがったのが、ロバート・アイガーでした。しかし外部から多数の候補者を招聘し、何度となく面接を繰り返したアイガーは重圧に耐えきれずパニック障害に罹ってしまいます。しかしそれでも、今までの人生で培ってきた忍耐力を見せ、ついにCEOの座に就くことになるのです。ここで彼を手助けしたのが、かつての師匠で、その時はアイガーの部下という立ち位置であったルーン。折しも時は2000年を迎えようとする時で、ミレニアム特番をルーンに作ってもらえるようお願いしました。その番組は大ヒット。この実績がアイガーのディズニーCEO就任を後押ししたことは間違いありません。

 

就任時にアイガーが掲げたことは3つ。

 

1つ目はブランド力を前面に押し出したコンテンツの作成。そして2つ目はテクノロジーの有効活用。ディズニーチャンネルなどに代表されるような、新しいデバイスでの発信、そこに以前からのブランド力を加えていくという戦略を打ち出しました。

そして3つ目は、グローバリゼーション。今までのターゲットから更に視野を広げ、それを新しいプラットフォームで、ブランドを再構築していくという構想を発表しました。

 

ここから、ディズニーを変えていくアイガーの戦いが始まります。

2020年08月13日 07:34

偉人伝 ロバート・アイガー①#44

参考文献:ロバート・アイガー著「ディズニーCEOが実践する10の原則」〜The Ride of a Lifetime〜

 

今年の夏、いろいろな制限つきではありますが、東京ディズニーリゾートが営業を再開しました。これに大喜びした人は多かったと思います。

 

言わずと知れた世界最強のエンターテインメント企業。ウォルト・ディズニー・カンパニー。老若男女、人種を超えてたくさんの熱狂的なファンを獲得しています。

 

その世界最強企業、ディズニーの最高責任者であるロバート・アイガーはこう言いました。

 

ディズニーCEOは最も最高のアトラクションである

 

6代目のCEOであるロバート・アイガー。彼は決して生まれながらに成功が保証されているような一族でも、裕福な家庭に生まれたわけではありませんでした。

 

元アメリカ海軍の家庭に生まれたアイガー。父は軍人を辞めた後にいろいろな職に就くものの長続きせず、やがて躁鬱状態になってしまいます。幼少の頃のアイガーは父の帰宅時のドアを開ける音でその日の機嫌がわかるほどになっていました。

 

そんな荒れた生活なので家計は厳しく、アイガーは中学2年生の頃から大学卒業まで、アルバイトをいくつも掛け持ちするような生活を送りました。

 

父親はいつも「おれのようにはなるな。しっかり勉強して立派な職業に就くんだ」と話していました。その影響があったのか、アイガーは読書にのめりこみ、学校の成績も非常に優秀だったようです。

 

ふとしたことがきっかけでネットワークテレビ局のABCに入社。当時のテレビ局はとても資金力があり、テレビマンは花形の職業でした。とはいえ配属部署はスタジオ管理部の雑用としての採用だったので、とても過酷な日々がアイガーを待ち受けていました。

 

そんな雑用に追われる日々、アイガーは上司の横領を知り、告発しようとするが逆に攻撃され、解雇を宣告されてしまいます。なんとも横暴な話ですが、当時はそういうことがまかり通る時代でした。

 

職を失ったアイガー。しかしなんとかこの会社に残りたいアイガーは各部署を必死にあたります。するとたった1つ、スポーツ部だけが空きがあったのです。当然ですがアイガーはそれに飛びつきました。

 

アイガーはここで、1人の人物と出会います。

その名はルーンといい、テレビの帝王と呼ばれたヒットメーカーでした。完璧を求めるぶんスタッフへの当たりは厳しく、最終的に残った部下はアイガーただ1人になってしまうほどでした。ルーンはスポーツの中にドラマを求めるという、スポーツ番組といえば中継オンリーだった当時においては画期的な番組を作りました。アスリートがいかにしてその舞台まで駆け上がったかをドキュメンタリー形式で撮影するというのは現代では当たり前の手法となっていますね。それの先駆者の元で、アイガーは学びました。

 

しかしアイガーはこうも考えていました。「完璧を求めることと優しさは同居できるはずだ」気性も激しく、もう少しで完成するというところで全てをひっくり返して1からの編集を命令するルーンからは去っていくスタッフが多かった。批判も多い。しかしテレビ作りの腕は確か。完璧を追求するのは良いことだが、もっと思いやりを持ちながら、みんなと協力してやっていくことは可能だ。アイガーはそう考えていました。

 

そしてしばらくして、ABCがキャピタルシティーズという小さな会社に買収されるという事件が起こります。そこでスポーツ部とニュース部の部長を兼任していたルーンはニュース部に専念することになり、スポーツ部の部長にはアイガーが抜擢されることになります。ルーンの下で働いていたのですが、この瞬間ルーンと同格の地位に出世を果たしたのです。時ほどなくして、オリンピックが開催されました。これにスポーツとニュースの共同体制で番組を作っていくことになります。ルーンは相変わらずの傍若無人ぶりをみせますが、アイガーがスタッフをうまくまとめて大成功をおさめ、その様子を見ていたキャピタルシティーズの経営者、トムとダンからABCエンターテインメントの社長になるように要請されます。

 

全く未知の領域への挑戦権を得たアイガー。少しずつ、しかし着実に彼の人生は動き始めました。

2020年08月11日 21:48

睡眠時間の確保#43

人間、いや多くの動物にとって、睡眠はとても大切です。これに異論のある方はあまりいないはずです。

 

しかし、そんなに大切な睡眠なのに、結構ないがしろにされているケースは多いです。かくいう僕もその1人でした。

 

日本人は世界的にみても睡眠時間の少ない国で、特に女性にその傾向が強くみられます。就業者の平均睡眠時間が8時間を切っている国は、日本と韓国くらいのものです。

 

睡眠中には成長ホルモンが分泌され、細胞の修復や疲労回復に一役かっています。「成長ホルモン」などと言われると「大人だからもう成長しないからいいや」と思いがちですが、成長ホルモンには皮膚や内臓を新しい細胞に入れ替えるターンオーバーという役割があるため、大人でも必要不可欠です。「成長ホルモン」ではなく「若返りホルモン」と呼ぶ医師もいます。

 

また睡眠には体内時計をリセットする、日中に見たことや学習したことを定着させる、内容を整理させるといった役割もあります。人間らしい生活を送るには切ってもきれない習慣なわけです。

 

しかし現代人は、この睡眠を疎かにしがちです。やることがたくさんあったら、まず睡眠から削ります。ゲームやLINEが楽しくて、ついつい夜更かしするという人もいるかと思います。受験生などは寝る間を惜しんで勉強している人もいることでしょう。

 

特に受験生に伝えたいのですが、受験勉強は長期戦です。1日10時間勉強したからといって次の日やらない(意図的に休みを入れる場合は除く)では意味がありません。継続的に学習していくことが何より大切です。

睡眠時間を削り、疲労と眠気いっぱいの中で根性で勉強をしても意味がないのは理解できると思います。

 

僕がお勧めするのは、睡眠時間を先に決めてしまった上で計画を立てるやり方です。よほど寝なくても平気なショートスリーパーでもない限り、6〜8時間は睡眠時間をとるのがよいでしょう。先に入眠時刻を決めてしまい、そこから睡眠時間を割り出し、その上で勉強や、アスリートであればトレーニングの計画を立てると、睡眠不足はある程度解消されます。先にも書きましたが睡眠には細胞を回復される役割があるため、トレーニング後の睡眠は効果を高めるためにはなくてはならないものです。今年は実施しているところなどまぁないとは思いますが、部活の合宿でも今になって思い返してみれば、たっぷりと睡眠時間が確保されていることが多いです。

時間は確保されているにもかかわらず、夜遅くまで起きていた挙句、夜食でスナック菓子なんか食べたものだから翌日の朝練ではコンディション最悪、まったくその日の調子が上がらなかったなんていうのは睡眠を軽んじた結果です。ちなみにこれは自分の経験談です。。。怪我しなかっただけまだマシだと、今なら思えます。

 

仕事をしている人も含め、中高生もやることがたくさんあり、どうしても睡眠時間が不足しがちです。しかし東大はじめ難関大学に合格した人の中にはしっかり睡眠をとっている人は結構多いです。人間にとって、1番大切といっても過言ではない睡眠なので、1番に時間を確保するというのは1つのやり方としては理にかなっていると思います。

 

ぜひ一度、試してみてください。

 

 

 

 

2020年08月08日 22:40

偉人伝 ジェフ・ベゾス②#42

amazon社が世界に先んじて導入したのは、以下の4つです。

・ユーザーレビュー

実際に購入した人の評価や感想など、包み隠さず公開するというのは当時はかなり画期的でした。良い評価も悪い評価も無関係に掲載することで、かえってその信憑性が増すという結果になりました。

 

・類似商品の推奨

閲覧履歴や購入履歴などをもとにして、「こちらの商品もおすすめ」のように出てくるあのシステムです。検索しないと商品が出てこず、実店舗である「こっちもいいけど、これも買ってみるか」のような二次的購買意欲がなかったネット販売にあらたなフェーズを持ち込みました。

 

全ランキング制

先のユーザーレビューと少し被るのですが、売り上げランキングを第1位から最下位まですべて掲載しました。

 

・ワンクリック注文

ボタンを1つクリックするだけで、商品が購入できてしまうシステムを開発しました。さらに手法、そして「ワンクリック注文」という名称まで含めて全て特許を取得しているため、他のサイトでは1つの動作で商品を購入することはできません。

 

古本販売や電子書籍をいち早く導入するなど、わずか数年で一気に規模を拡大させました。株主にも「マーケットを握るためにリスクを取る」と公言しているそうです。

 

ベゾスの根底にあるものは、「徹底した顧客主義」という言葉に集約できます。購入者のユーザーレビューを掲載するなど、悪い評価を書き込まれる可能性も含んでいる著者はできたら避けたいところです。また古本を販売することについては、amazon内でも反発意見が出たほどでした。しかしベゾスは「新書を買うのか古書を買うのか、顧客に選んでもらえばいい」という決断をくだしました。

 

その後は本だけでなく映像や音楽、さらに日用品も取り扱うようになり、ベゾス自身はフォーブス長者番付において2018年に世界1位となりました。

 

そしてベゾスの携わる事業はamazonだけにとどまらず、宇宙飛行事業を目的とするブルーオリジンを設立。高校卒業時には宇宙事業をやりたいと宣言していたというから驚きです。さらに有名紙であるワシントンポストを買収。オンライン購読を実現させ、同社を黒字転換させました。

 

フロンティアスピリッツと、データ主義を併せ持つジェフベゾス。amazonの労働環境が非常に厳しいことが何回も取り沙汰されたり、慈善事業にはほぼお金を回さなかったり、また最近になって25年連れ添った妻と離婚を発表したりと、なにかと世間を騒がせています。熱いハートと優れた頭脳の両方を持つ稀代の天才なのか、はたまた冷徹な独裁者なのか、これからのベゾスの動向に要注目です。

2020年08月06日 16:56

偉人伝 ジェフ・ベゾス①#41

現在日本では、65歳以上の、いわゆる高齢者と言われるような人間でもインターネットを使用する時代に入ってきました。GAFAと言われるプラットフォームのうち、高齢者も含めた最も多くの日本人が使用しているのがGoogleとamazonではないかと思います。

そこで今回はAmazon創始者であり、2018年世界長者番付第1位に輝いたジェフ・ベゾスについて書いてみます。

 

バイクショップのオーナーである父と、当時17歳の高校生の母の間に生まれたベゾス。元々ベゾス姓ではなく、再婚した父の姓です。再婚した父はエンジニアであり、工作や科学には興味を持ちやすい家庭であったと言えます。

 

幼い頃からその才能は発揮され、自分の部屋に電動のアラームをしかけ、弟たちが入ってこれないようにしたというエピソードが残っています。

マイアミのパルメット高校という高校を主席で卒業したベゾスはプリンストン大学で電子工学を学び、優秀な成績で卒業します。当然数多くの大手企業からオファーが来ますが、ベゾスが選んだのはスタートアップ企業であったFitelという会社。金融決済システムを構築していたこの会社で貿易情報のネットワーク構築に従事します。その後も何度か転職するのですが、そのどれもがいわゆるベンチャー企業、比較的小さい会社に入社します。いくつか企業を渡り歩いた後にベゾスはヘッジファンドD.Eショーに入社。シニア・バイスプレジデントに30歳という若さで就任します。

この会社にいる時にディビッド・E・ショーから言われた「これからはインターネットの時代だ」という言葉を受けてベゾスはその真偽を調べます。そして調べた結果、前年と比較して1,000倍の情報量であったことを突き止めたベゾスはすぐに退社。自らamazonを立ち上げるのです。ちなみに設立した年は1995年。Windows95が発売された年です。

設立当初はオンラインの本屋としてスタートしたamazon。しかし別に本を売りたかったわけではなく、初めから現在のように何でも扱うような形態をとることを予定していたそうです。最初に本屋を手がけたのはずっと売れなくても価値が下がらないし、いたまないからという理由です。もっというと書店はスペースが限られているため、「すべての本を並べておく」というのが不可能だという実店舗の書店の弱点を補完できると考えたようです。

 

その後わずか3年で現在のamazonのような形態になっていきます。ベゾスはとにかく「急成長」にこだわり、いろんな場面で公言しています。

 

そんな急成長を遂げたamazonですが、やはりそんなハイスピードで成長するには理由があり、数々の発明をしています。現代人ではもう当たり前となり、他のサイトでも採用されているようなものを編み出すのです。

次回はその内容から入っていきます。

2020年08月04日 16:32

ノートの取り方#40

参考文献

太田あや著「東大合格生のノートは必ず美しい」

仕事の教科書編集部編「手帳&ノート整理術」

東京大学・学習効率研究会編著「中高一貫校卒の東大生60人が教える中学生の勉強法」

 

現在はタブレットPC等が普及してきてはいますが、それでもやはり紙のノートは学習していく上でなくならないのではないかと思っています。

 

テストで好成績を取る人で、ノートを上手に活用して勉強している人はかなりの割合で存在します。今回は講義におけるノートの取り方に絞り、読んだ本の共通項的な内容をまとめていきます。

 

まずノートは、授業の再現をするためのものでなくてはなりません。あとから見返した時に、授業で教わったことが思い出されるようにします。ノートを取ることは、目的ではなく手段。ノートを見れば他人に授業を再現してあげられるレベルになれば完璧です。自分の言葉で言い換えることができるようになれば、その授業の内容はかなり理解が進んでいると言ってもいいでしょう。授業中はわかっていたのに、家に帰って同じ問題を見た時に手がつけられないという経験をした人もいるかと思いますが、まさにノートはそういう時のために取っておくものです。

 

次に、特に社会などでは有効なのですが、相関関係や因果関係がわかるように書きます。なぜその事柄が起こるのか、順番はどうなのか、このあたりをしっかり整理します。東大生のノートには→が多く登場するのも特徴の1つです。矢印や吹き出しを活用し、事象における関連づけをしていきます。

 

1つの事象を個別で覚えるよりも、いろいろな関係性とつなげて覚えた方が定着するというのはカーネギーメロン大学の行った実験で実証されています。授業中に先生が話した雑談とセットで記憶するような人もみられました。

 

あとは使い方として、字を丁寧に書くというのも無視できません。決して綺麗な字ばかりではないのですが、自分が読み返すことを想定しているので丁寧に書き綴られています。文頭をそろえる、たっぷり余白をとってゆったりと書く、資料やデータはコピーをとる(手書きしない)、単元ごとなど、区切りのよいところでノートのページを変えるなども共通してみられる特徴でした。

 

自分のウィークポイントが凝縮されていたり、その日の講義の内容が自分の言葉で書かれている唯一の参考書となるノート。ノートをうまく活用することが成績向上の最短ルートの1つです。先生が板書したことだけを書き写すのがノートの役割ではありません。仮に講義の内容を忘れてしまったとしても、ノートを見返すと思い出すことができる。成績が上がらなくて苦しんでいる人は、この部分を意識してノートを作ってみるのも1つの手段かもしれません。

2020年08月01日 18:37

中国の教育#39

先の記事で、アジア第1位の大学は清華大学であると書きました。そして第2位は北京大学がランキングされ、中国では「清北」と呼ばれているそうです。日本で東大・京大と並び称されるのと似ていますね。

 

清華大学は、基本的には全寮制です。そして広大な敷地内からほとんど外に出ることなく学生生活を送ります。敷地内にはスポーツ施設や図書館は当然のこと、病院や警察、食堂やコンビニなどの生活に必要な施設が全て揃っています。それだけではなく工場や美術館なども存在し、外に出る必要がないくらい施設がそろっています。

 

日本でいうところのセンター試験(大学入学共通テスト)は年間900万人を超える人が受験し、清華大学に入学できるのは3,000人程度ということです。相当に狭き門であることは間違いありません。留学生を積極的に受け入れているのも特徴の1つです。そして中国の学力の高い大学に進学した人は、基本的には大学院に進学するそうです。日本と比較して、圧倒的に大学入学後の勉強量が違います。日本は高偏差値の大学に入学した段階で能力を証明したことになり、かなり緩やかに学生生活送る人がほとんどです。中国では研究した成果や修士課程、博士課程に進んだことがしっかり評価される風潮があります。清華大学や北京大学を卒業した人は、海外企業で約2年くらい働いてから中国に帰ってくる流れができているとのことです。ここからも海外の良いところを取り入れようとする姿勢がみえますね。

 

中国で現在、注目されているのはEd Techと言われるシステム。Edとはeducation、すなわち教育に力を入れています。ちなみにEd Techとはeducational technologyの省略形からきています。

 

オンライン学習システムを積極的に取り入れ、作業帮と言われる学年別の動画配信授業があったり、猿輔導というWeChatのようなものを使用した双方向性のサービスが浸透しているそうです。広大な領土をもつ中国だからこそ、先んじてこういうものが発達していったと言われています。

 

当然日本にも良いところがあり、エンターテイメントなどは世界に多くのファンを抱えています。そして学力偏重の社会は大きな歪みを生みました。それではいけないと考えた結果「ゆとり教育」という言葉ができ、競争から離脱することを選んだ時代もありました。しかし今になって、ゆとり世代の人を別の世代の人間が見ると「あの人はゆとりだから」なんて言われることが多いですよね。仕事ができない人間の代名詞として「ゆとり」という言葉は使われています。そして現在、学習指導要領は改定を加えてまたかつてのような教育を、「脱ゆとり」を謳っています。

 

これを機に、明治維新の頃に戻って、海外から良いものを取り入れる真摯な姿勢が必要なのではないか。そして取り入れたものを、さらに便利に加工するのは日本人の得意技の1つです。ここを伸ばしていくべきではないか。

 

世界が今まで経験したことないような大変な事態になっている今だからこそ、大きく変革するいい機会なのではないか。僕はそう思います。

 

2020年07月30日 14:13

アジアの雄・中国#38

アジア第1位は、もう既に日本ではない

 

なんとなくイメージしている人はいるかと思いますが、果たして現実味を感じている日本人はいったいどのくらいいるのでしょうか?

 

日本は近年、好景気であるとずっと言われてきました。戦後最大を更新するかもしれないとか、アベノミクス大成功だとか、日本が元気であるという報道を散々してきました。日本人はたくさんお金を稼いでいる、だから少しばかり増税しましょう、という流れであったはずです。

 

しかし、これを体感していた方って、果たして国民全体のどのくらいいたのでしょうか。半数くらいの方は感じていたのでしょうか?僕の周囲には、そんな方は1人もいませんでした。もちろん僕も好景気なんて微塵も感じることができませんでした。

 

そして最近政府が発表した経済観測によると、「日本の好景気は2018年には終わっていた」というのです。そして東京五輪後は、今より悪くなるのは避けられないという報道がされています。

 

これで本当に、アジア第1位なんて言えるのでしょうか。僕は胸を張って言うことなどできません。

 

現在アジア第1位の大学は、中国の清華大学です。日本が誇る東京大学は、第7位に位置しています。東大がアジア第1位の大学だったのは、2015年にまで遡ります。ちなみに第2位は北京大学、第4位に香港大学が続きます。世界有数の投資家であるビル・ロジャーズは、清華大学が近い将来世界第1位の大学になるだろうと予言しています。また、中国に積極的に投資していくとも宣言しています。

 

2008年に開催された北京五輪で世界中のインバウンドを受け、その影響で景気がいいと思っていた人も多いと思います。僕もその1人でした。しかし、決してそうではなかったのです。今やあらゆるシーンで中国は世界トップクラスの実力を持っています。

 

かつては中国の小さな漁村であった深圳が1980年に中国初の経済特区になり、今では香港を超え、秋葉原の30倍と言われる電子街となっています。さらには街全体がキャッシュレス、街を走る車のほとんどが電気自動車です。日本のような無機質なものではなく、個性豊かな超高層ビルが並び、街路樹も整備されているせいかとても空気も綺麗だそうです。

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アジア第1位は、もうすでに日本ではない。

しかもおそらく、中国は既に日本など相手にしていないと思われます。ちなみに東大が2015年までアジア第1位だったと書きましたが、その後3年間トップの座にすわったのはシンガポール国立大学です。後日シンガポールのことについても記事にしますが、こちらもかなり進んでいます。かつてはヨーロッパのブランドがアジアに進出する時は東京に出店していたのですが、今やシンガポールにまず進出するという流れになっているようです。

 

日本は今後、どういう舵取りをしていくのか。待ったなしの難しい局面に立たされていると僕は考えています。このままでは、おそらくただの小国に成り下がってしまうでしょう。

 

2020年07月28日 15:55

柔道漫画「帯をギュッとね!」#37

河合克敏作・小学館

週刊少年サンデーにて1989年〜1995年連載

 

2020年7月25日は、東京五輪・柔道競技初日でした。日本第1号の金メダルは誰になるのか!みたいな話題で盛り上がること間違いなしの日になるはずでした。

 

しかし現在、スポーツの取り巻く環境は非常に厳しく、世界中から人が集まる五輪開催への道はまだまだ険しいと言わざるをえません。

 

スポーツの中でも、とりわけ柔道は厳しい部類に分けられています。新年度になり、新しく柔道を始めた人って、全国でいったいどのくらいいるのでしょう。公立中学校などでは新入部員ゼロも珍しくないようです。

 

仕事柄、たくさんの10代の人と話す機会があるのですが、漫画をきっかけにその競技を始めたという人も結構多いです。漫画か、その競技を何かの映像媒体で観たか、両親が経験者だったか、おおよそこの3つに集約されています。

 

大会がない今、映像というのはなかなか期待できない。五輪開催日であった今だからこそ、柔道漫画の紹介をすべきだと思いました。

 

中でも柔道未経験者が読みやすいのはなんと言っても帯をギュッとね、通称「帯ギュ」です。昇段審査の時にたまたま出会った5人(マネージャー含め7人)がたまたま同じ高校に入り、柔道部を創部するところからスタートします。それぞれに個性のあるキャラクターで、おそらく誰か1人くらいは「この人の柔道スタイルが好き」というお気に入りが見つかるはずです。新興チームだからこその上級生との上下関係や軋轢のない、全体的にとても爽やかな構成となっています。

 

作者の父が柔道5段を持っているとのことで、技術の描写や柔道界の内情などは結構現実的だったりします。警察関係者が柔道を指導していたり、高校生が警察の柔道部に出稽古に行く場面などは「こういう人いたなぁ」とか「おれもやったなぁ」なんて思う人も多いのではないでしょうか。ちなみに浜名湖高校の柔道部員ほど意識や能力がなかった僕は警察の柔道部に練習に行っても粘ったり技が決まりかけたりすることは全くありませんでした。試合で少しずつ結果が出始め、「強くなってるのかなぁ…?」と思ったくらいです。

 

作中には実際に活躍していた選手がモデルであると考えられるキャラクターや学校も存在していたりして、それが誰なのかを探すのも楽しいです。後半から女子柔道の話が出てくるのですが、高校生の中でも突出した選手が一気に世界まで駆け上がる様子は現代の素根輝選手や阿部詩選手を連想させますね。

 

全てを読んでいるわけではないので、他にも魅力ある作品はあるのでしょうが、僕が読んだ作品の中では初心者ならば「帯ギュ」一択です。ちなみに僕は少なくとも50回以上は読み返しています。大人が読んでも面白いはずなので、興味がある方は是非ご一読ください。

2020年07月25日 12:41

大宮立志塾

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