夏休みの学習法(全体編)#35
もうすぐ夏休みがやってきます。今年は短期間とはいえ、やはりまとまった時間が取れる時期であることは間違いないわけで、休み以降のテスト結果に大きな影響を与えます。
今回は全員に共通する、基本的な内容について書いてみます。
当たり前といえば当たり前のことしか書いていませんので、「もう知ってるよ!」という方については申し訳ございません。
まずは、出された宿題プラスアルファでトータル何時間くらい学習するか目標を設定します。「勉強できる時に勉強する」では、ほぼ確実に勉強しません。これはアスリートにとってはトレーニングに置き換えても問題ありません。今回は夏休みが2週間程度という中高生が多いと思うので、まだ計算が立ちやすいはずです。学校課題の量がどんなものかが今年はかなり学校によって開きがあるのですが、中学1、2年生なら3×14日で42時間、3年生や高校1、2年生なら5×14日で70時間くらいが1つの目安になるでしょうか。高校3年生は希望進学先によって大きく異なるので割愛します。
そして次に、環境を整えることです。「勉強するためだけのスペース」を可能な範囲で作り上げます。図書館や自習スペースを使用できるならそれも1つの手ですし、外出を控えないといけないこのご時世ですので、自宅にそのようなスペースが作れるなら作りましょう。この時に大切なのはパソコンやスマートフォン、テレビといった「情報と接続可能な機器」をその空間からは排除します。あるアメリカの大学の研究で、ランダムな学力を持つ高校生100人を50人ずつの2つのグループに分け、パソコンとスマートフォンのある部屋とない部屋でどのくらいの時間一気に勉強するかを実験したところ、ある部屋では2分だったのに対し、ない部屋では20分だったという結果が出ています。ある部屋で勉強している人はFacebookの通知やスマートフォンからのメール音が鳴ったりするのが気になってしまったようです。日本でいうとLINEということになるでしょう。いったん外部の情報から遮断するというのは研究職の方もよく使う手です。
目標のトータル時間は決まった。環境も整えたという人は、1日ごとのおおまかなスケジュールを決めていきましょう。だいたい何時くらいから勉強していくかを落としこんでいくわけです。これは多少ゆるめに設定しつつ、絶対に目標としている時間は切らないようにします。ただしこの日は1時間だったけれど、次の日は5時間やるといった日ごとの時間変動は大丈夫です。やるべきことを明確に設定できている人は、その時間内に何をどこまで勉強するのかを決めておくといいです。ここで大切なのは、長くても1時間以上は同じ科目をやらないようにします。集中している時や、好きな科目は長時間やっても平気かとは思いますが、そこはあえて次の科目に取り組みます。こうすることで学習時間のバランスを図ります。可能ならば3時間連続ではなく、バラバラに1時間を3セットにする方が続けやすいですね。
もっと学習習慣の身についている人は、時間の長さで学習量を設定しないようですが、今回はあくまで学習現場に身を置く者として、一般的な中高生を対象に話をすすめてきました。ちなみに今日の話を実践するにあたり、これで1日使ってもいいくらい大切なことです。
この夏で学力を伸ばしたい人は、ぜひチャレンジしてみてください。